2026年6月13日開催予定の「縮充に挑む実践者の集い2026」。当日は5つの取り組みを発表していただきます。
5つの取り組みは、課題先進地である村上地域で実践しているだけに、「課題解決先進事例」でもあります。どこが注目のポイントなのか?取り組みの背景・概略も含めてご紹介します。
介護予防・日常生活支援総合事業の推進にあわせて各地で設置が進んでいる「生活支援協議体」。住民の「共助」による高齢者の見守りや居場所づくり、買物支援、移動支援などの取り組みが、各地で展開されています。
ただ、関係者間での情報共有や課題整理が中心となり、具体的な実践につながりにくいケースも実際には少なくありません。また、参加メンバーの固定化や高齢化も課題となっており、多くの地域では民生委員や自治会役員など限られた層に負担が集中しています。
こうした中、新潟県村上市神林地区では、総合型スポーツクラブ・NPO法人希楽々が核となって、地域運営組織(RMO)や行政、学校、地域住民などが連携しながら、分野横断型でのささえあいの取り組みが進められています。
神林地区の特徴は、生活支援を福祉活動として閉じず、「地域で暮らし続けるための仕組みづくり」として展開している点にあります。そして、その中心を担っているのが、福祉団体でも社協でもなく、総合型スポーツクラブであるのは全国的にも非常に珍しいケースです。
NPO法人希楽々は、もともとスポーツ振興を目的として設立されましたが、現在では、健康づくり、介護予防、放課後支援、多世代交流、地域交通、買物支援など、幅広い分野に関わる事業を展開する組織へと発展しています。「スポーツをする場」ではなく、「スポーツを通じて地域をつなぐ場」となっている点が大きな特徴です。
(NPO法人希楽々HP)
一般的な生活支援協議体では、高齢者や福祉関係者が中心となり、若い世代の参加が難しいケースが多く見られます。しかし神林地区では、総合型スポーツクラブという特性を活かし、中学生、高校生、20代、30代といった若い世代が自然に地域活動へ関わっています。
スポーツイベントや地域行事、交流活動などを通じて、子どもや若者が地域住民と日常的に接点があるだけでなく、放課後活動・地域イベントの運営補助として若い世代が参加したりしています。つまり「地域活動=高齢者だけのもの」という構図になっていないのです。
これは、総合型スポーツクラブが持つ「参加しやすさ」や「日常的なつながり」があるからこそ可能になっている側面が大きく、生活支援協議体にありがちな固定メンバー化を防ぐ役割も果たしています。
神林地区では、高齢者を単なる「支援される側」として捉えていない雰囲気があります。高齢者自身が地域活動の担い手となり、多世代が役割を持ちながら地域活動に参加しています。健康教室や交流活動では高齢者自身が運営補助・サポート役として関わわるなど、「役割を持って参加する仕組み」が意識が浸透しています。
スポーツクラブを基盤としているため、「支援活動に参加する」というよりも、「楽しい活動の延長線上で地域に関わる」という雰囲気があり、それが多世代参加を生み出しています。
スポーツ活動を入口としながら、福祉、教育、地域づくりを横断的につないでいる点も、神林地区の特徴です。
例えば、高齢者向け健康教室に送迎支援を組み合わせることで、移動が困難な人でも参加しやすくしています。また、地元の商業施設を活用し、健康づくりと買物支援・交流活動を一体的に進めています。
さらに、放課後支援や子どもの居場所づくりも展開しているため、高齢者と子どもが自然に接点を持つ環境がつくられています。これは、単なる介護予防事業ではなく、「地域の日常そのもの」を支える活動として展開されていることを意味しています。
神林地区には、地区内に5つのまちづくり協議会(=地域運営組織(RMO))が組織されています。ささえあいの取り組みは、こうした組織と連携・協働がベースとなって進められています。
例えば、集落単位での支え合い活動。各集落では、見守り活動、除雪支援、空き家の見回り、交流活動など、各々の課題に応じた小さな実践が積み重ねられています。それらを「第一歩発表会」と称した場を設け、地域内の実践を共有する機会を提供しています。
「まず小さく始める」を重視し、地域住民が参加しやすく、実践が継続しやすい環境が生まれています。
このように神林地区の取り組みは、総合型スポーツクラブという基盤を活かしながら、福祉、スポーツ、教育、地域づくりを横断的につなげている点が大きな特徴です。特に、中学生から30代までが自然に地域活動へ関わり、高齢者も「支えられる側」だけではなく担い手として参加していることは、全国的に見ても希有な事例です。
生活支援協議体が「高齢者福祉の会議体」にとどまりやすい中で、神林地区では、スポーツを入口に多世代のつながりを生み出しながら、「地域で暮らし続けるための仕組み」を実践しています。それは単なる生活支援ではなく、人口減少社会における持続可能な地域運営モデルとして注目される取り組みとなっています。
(村上市HP)
令和6年度かみはやし互近所ささえ~る隊・活動報告
https://www.city.murakami.lg.jp/uploaded/attachment/69991.pdf
(スポーツ庁・地域スポーツ振興組織の在り方検討会(第2回)配付資料/2020.12.15)
NPO法人希楽々の地域課題解決プログラム
https://www.mext.go.jp/sports/content/20210114-spt_stiiki-000012156_07.pdf
都岐沙羅パートナーズセンターでは、事務所を構えている朝日地区の生活支援コーディネーター(二層)を拝命し、朝日地区でのささえあいを推進しています。神林地区の取り組みは、一層生活支援協議体の会議等で常日頃から情報を共有しており、素晴らしい取り組みの数々には、いつも大きな刺激を受けています。
また、神林地区は「中学生以上全住民アンケート調査」を地区全体で一斉に実施した市内最初地区です。調査実施にあたっては都岐沙羅パートナーズセンターが全面協力し、集計・分析等の支援を行っています。
※実施した住民アンケート結果は各まちづくり協議会のHPで公開されています。
神納地域まちづくり協議会
https://www.city.murakami.lg.jp/site/kannou/
神納東地域まちづくり協議会
https://www.city.murakami.lg.jp/site/kannouhigashi/
平林地域まちづくり協議会
https://www.city.murakami.lg.jp/site/hirabayashi/
砂山地域まちづくり協議会
https://www.city.murakami.lg.jp/site/sunayama/
西神納地域まちづくり協議会
https://www.city.murakami.lg.jp/site/nishikannou/
(村上市・市民協働のまちづくり)
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